陶芸を通じて自分を確かめる




1971年 沖縄県生まれ
1993年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部陶芸コース入学
1999年 同大学院卒業

1999年 読谷山焼 大嶺工房で3年間修行
2003年 沖縄県うるま市にて独立(陶房 土火人-つちびと-)
2003年〜05年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部陶芸コース 非常勤講師
2010年 「工房からの風」参加
2011年 「クラフトフェアまつもと」参加

第30回現代沖縄陶芸展 琉球新報社長賞(銀賞)
個展・多数出展

――尊敬する陶芸家は?

濱田庄司と北大路魯山人です。濱田庄司は健康的で骨太な美しさ。彼は沖縄でも制作をしているのですが、沖縄で作ったものは、本当に楽しそうに作っています。そこがいいですね。魯山人はセンスが良くて頭が下がる。板皿なんか最高です。
もちろん、恩師である大嶺實清先生も、尊敬しています。

――今後の展望は?

薪窯で焼物をしたいですね。今はガスや電気窯ですが、薪窯を自分で作るところから始めて、そこで焼いてみたい。僕は趣味も陶芸で、それ以外でやりたいこととかは、あまり思い付かないですね。

――ずっと器を作ってきたんですか?

独立してから3〜4年は、オブジェばかり作っていました。でもオブジェだと自分だけの世界に入ってしまいがちで…。僕は社会や人とかかわりたかったので、比較的最近ですけど、器を始めました。それに、もともと昔の土器が好きだったんです。八重山諸島の新城島で焼かれた「パナリ焼」という土器が特に大好きでした。土に夜光貝などを混ぜて露天で野焼きした真っ赤な無紋土器で、とても素朴なんです。

京都市中京区麩屋町通・御所南 器と切子ガラスのお店「結」

――陶芸を始めたきっかけは?

本当は絵画の勉強をしたくて沖縄県立芸術大学の絵画コースをめざしたのですが、うまくいかなくて…。それで同じ芸大に陶芸のコースがあったので、陶芸もアートだと思ってそちらに進学しました。それまでは陶芸の経験はまったくありませんでした。

芸大に入って最初の授業で、沖縄の古い焼物を先生が見せてくださいました。その時、「沖縄には、こんなにすばらしいものがあるんだ」と感動しました。同時に、沖縄に生まれながら沖縄について何も知らなかった自分に気付いたんです。

それから一気に、沖縄の焼物にはまりました。今でも、焼物を通じて沖縄を知り、自分のアイデンティティを見つけていくという感じです。

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――陶器の魅力は何でしょう?

手元に自然を持ってくることができるということでしょうか。ものを乗せるだけなら葉っぱでも何でもいいのに焼物を使うということは、そこに自然美を求めるからなのではないでしょうか。特に西洋は土を焼いて別のものに作り変えるという感じなのに対し、日本はまた土に還るような焼物を作る。器に大地や石など、自然を封じ込めるというか。そういうところが好きですね。

一度、古い器の中にモンゴルの大平原を見たことがあります。器の中に宇宙がある…そんなマジックが焼物の魅力かもしれませんね。

――では沖縄の器ならではの魅力は?

いろいろな技法を採り入れてチャンプルーするおおらかさが、沖縄の器の魅力じゃないでしょうか。僕も赤土に白い化粧をして千彫りしたり、独特な色の沖縄の釉薬を使ったり、沖縄の技法をいろいろやってみました。でも今は、素材感や質感を大切にしています。沖縄自体、うまくは言えないけど「ゆるり」としたところが魅力じゃないでしょうか。時間の流れもそうだし、ユタがまだいて神ごとが多いところなんかもいいですね。


器の魅力は自然を手に持てること。土に還ること

――制作の上でのこだわりは?

これまではずっと沖縄の素材にこだわってきたんですが、最近は自分というものができてきたのか、特にそうでなければいけないとかは思っていません。自分のやりたいことをやっていたら、結果として素材が沖縄のものだったという感じ。それだけ個性が出てきたんですかねぇ? でも自分では意識してないんですが、フェアなどで他の方の作品と並んだら、やはり沖縄独特の雰囲気があるように思います。

今は日常の器ということを大切にしています。だからあまり細かいことは気にせずに、使っていただきたいです。電子レンジに入れてもいいし、ガシャガシャ洗ってもいいし、欠けたら欠けたでまた味わいがあるし…。

Yamada Yoshiriki

山田 義力
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